3.制作時の注意点②マーケティング

ECサイトの売り上げを構成する方程式は、集客×コンバージョン率×客単価です。

そのうちデザイナーが関与することができる部分が、主にコンバージョン率と客単価です。

客単価は制作時に販売する商品点数がそもそも少なく、上げる提案をすることが難しいケースも多いのですが、コンバージョン率は制作時の商品点数にかかわらず見た目によって差が出てくる部分です。

特にマーケティングやUIを意識せずにデザインを作っていくと、気がつかないうちにコンバージョンが下がる要因を取り入れていたということにもなりかねなません

そのため、マーケティングやUIの観点からもどのような点に気をつけてデザインをしたら良いか把握しておきましょう。

今回は、マーケティングに焦点を当てていきます。

ちなみにマーケティングという言葉には様々な意味が含まれますが、ここではSNS運用やメール配信、広告運用など公開後の集客に関するマーケティングは含みません。

Shopifyデザイナーはサイト公開後の運用は行わないケースが多いため、集客のマーケティングに関しては本講座では取り扱いません。

目次

コンバージョン率が上がりやすい状態、下がりやすい状態とは

まずはコンバージョン率が上がりやすい状態と、下がりやすい状態を把握しておきましょう。

上がりやすい状態

  • 直帰率が低い
  • インタラクションコストが低い
  • ターゲット層にとって見やすい
  • 情報が十分で無駄がない
  • 操作が簡単
  • 信頼できる、安心感がある

下がりやすい状態

  • 直帰率が高い
  • インタラクションコストが高い
  • ページの表示速度が遅い
  • 見にくい、わかりにくい、使いにくい
  • 商品やサービスに対して不明点がある
  • 信頼できない、安心できない

これらのうち、マーケティングとUIの観点両方から操作ができるのが直帰率です。

直帰率とは、サイトに訪れたユーザーが他のページを閲覧せずにサイトを閉じてしまった割合のことです。グーグルアナリティクスやシミラーウェブを使うと確認することができます。


一般的には、直帰率は低い方が良いとされています。

直帰率が低いということはユーザーが他のページも閲覧している状況であることを意味し、直帰率が高いということはユーザーが最初のページだけを見てすぐに離脱してしまっていることを意味します。

直帰率は以下の状態だと高くなる傾向にあります。

  • コンテンツの質が低く、ユーザーの求める情報がページ内に不足している
  • 検索キーワードや広告の内容と表示されたページの内容が合っていない
  • サイトのデザインが分かりづらい
  • ページの表示速度が遅い
  • モバイル対応ができていない
  • 内部リンクが適切でない

制作の中では、信頼できるか・安心できるかといった心理的な不安要素を払拭するための情報を掲載したり、ユーザーが求める情報を掲載したりすることで直帰率を下げることができます。

コンバージョン率と客単価を上げるための工夫

商材ごとに異なるユーザーが知りたい情報を掲載する

不明点がある、安心できない、信頼できないとユーザーに思われてしまっては、購入に至らずに離脱されやすくなってしまいます。

不明点が生じないように情報を掲載する必要がありますがユーザーが知りたい情報は商材によって異なるため、扱う商材についてどのようなコンテンツを掲載することが最適かを考える必要があります。

考えると言っても頭の中で考えるだけではずれてしまう可能性も出てきますので、その商材に対して実際にどのような複合キーワード(メインキーワードと同時に検索されているキーワード)が検索されているか、検索されているキーワードの量(ボリューム)はどのくらいなのかを確認し、このような情報があれば不明点なく安心してお買い物できるだろうと仮説を立てて掲載するコンテンツを整理していく必要があります。

複合キーワードについては、「ラッコキーワード」というツールで調べることができるようになっています。

また、検索されているキーワードの月間検索数は「Googleキーワードプランナー」で調べることが可能です。

複合キーワードだけ調べても検索されているキーワードの一覧しか把握できないため、各キーワードのボリューム数も調査をする必要があります。

キーワードプランナーでは、広告を出していない場合はおおよその数字でしか確認をすることはできません。

ただし月間検索数はおおよその数の確認ができれば問題ありませんので、広告は出す必要はありません。

また、同業サイトが掲載しているコンテンツの内容や、楽天・Amazonといったモールで似た商材にどのような情報が掲載されているか、どのような口コミが投稿されているかを調べることでも、ユーザーが知りたい情報は何か仮説を立てることができます。

しょうこ

ちなみに、競合の少ない商材や一次情報がインターネット上に出回っていないような商材については検索エンジン上から情報を探すことが難しい為、雑誌や本で情報を探すことがおすすめです◎

必要なコンテンツを適切な場所に配置する

掲載するコンテンツの整理を行ったら、どのような順番で配置をするのかを考える必要があります。

コンテンツは優先順位の高い内容はページの上の方に掲載し、優先度の低いコンテンツはページの下の方に掲載します。

ビジュアルを追求することにとどまらず、商材によってユーザーが知りたい情報を適切な場所に掲載する必要があります。

ユーザーがサイトに訪れた後、次にどのような行動を取るか考えて設計する

商材によって、ユーザーがサイトに訪れた後に起こすアクションは異なります。

例えば以下のようなサイトでは、ユーザーはそれぞれ別の行動をとると仮説を立てることができます。

・ニトリ、タンスのゲンのような複数カテゴリー、商品からなる商品点数の多い通販サイト

→サイトにユーザーが訪れた後、探している商品が含まれそうなカテゴリーを絞り込む

ニトリ:https://www.nitori-net.jp/ec/

タンスのゲン:https://www.tansu-gen.jp/

・販売している商品のうち特定の商品が突出して知名度が高く、他の商品は知名度が低い通販サイト

→サイトにユーザーが訪れた後、知名度の高い商品を探す
(検索エンジン上で知名度の高い商品を指名検索して、最初に商品ページにアクセスし商品単体ページをはじめに閲覧することも考えられる)

・使用することで、または使用後に何かリスクの考えられる商品を取り扱う通販サイト

→サイトにユーザーが訪れた後、まずはリスクを気にせずに使えるとわかる情報や証拠を探す
(クッションフロアの場合、剥がした際に跡が残らない・使用をしていて裏にカビが生えないなど)

このような事例のように扱う商品によってユーザーがまず探したい情報・知りたい情報が異なるため、購入に至るまでの導線が異なることを考えて設計をする必要があります。

サイトにアクセスをして見つけたい情報がなかなか見つからないというのはユーザーにとってストレスになる上、結局情報が見つからなくて購入されないということにもなりかねません。

どのサイトも同じようなコンテンツを同じような順番で掲載すれば良いというわけではなく、サイトの公開後にユーザーがどのような動きをしそうか仮説を立てて掲載するコンテンツの順番を決めていく必要があります。

関連商品・おすすめ商品を表示する(客単価の向上)

商品単体ページやカートページで関連商品やおすすめ商品を表示させると、同時に購入してもらえる可能性が上がります。

クロスセルと呼ばれ、合わせ買いを促し客単価を上げるために取り入れられる工夫です。

デザインカンプを作る際にカートページで関連商品やおすすめ商品の表示ができるテーマを使用している場合は、表示をさせるようにしましょう。

しょうこ

ちなみにテーマ選びから携わる場合は、客単価を上げることも考慮して関連商品やおすすめ商品の掲載ができるテーマを選ぶのがおすすめです

売れ筋商品・ランキングを取り入れる

売れていることがわかると選ばれやすくなる傾向にあることから、売れ筋商品を表示させたり売れている商品ランキングのセクションを作ったりしてユーザーに沢山の人に購入されていることを視覚的にわかるようにする工夫も積極的に取り入れましょう。

バンドワゴン効果と呼ばれ、沢山の人から支持されていることを視覚的にわかりやすくするために取り入れられます。

マジカルナンバーを取り入れる

人が短期間で記憶できる数は3〜5と言われており、このことをマジカルナンバーと呼びます。

数が多いと判断にも迷いやすくなることから、コレクションやメニュー項目の表示は3〜5ほどが推奨されています。

とはいえ物理的に3〜5に収めることが難しいケースも度々ありますので、数を絞れそうな場合に取り入れるようにするのがおすすめです。

しょうこ

はじめにマジカルナンバーで提唱された数字は7プラスマイナス2でしたが、現在は4プラスマイナス1と言われています。

レビューを表示させる

商品を購入したユーザーもしくは体験したユーザーのレビューを掲載しておくことで、商品やサービスに対する信頼性が高まったり購入につながりやすくなったりします。

Shopifyでレビューを表示させる場合はアプリを使用するケースが多く、「Judge.me」というレビューアプリを利用するケースが度々あります。

もしディレクターからレビューアプリを取り入れる指示がない場合は、デザイナーからレビューを取り入れないか提案するケースもあります。

しょうこ

他にもマーケティングの観点からはクーポンを表示させたりチャット機能を取り入れたりすることで、コンバージョンの向上に繋げることは可能です。
ただし、これらは制作をする段階では取り入れることが決まっていないことが多く、デザインに反映するケースは滅多にありません!

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